泥沼資格ビジネス

私も20代の頃は人生が不安で不安で、資格の勉強をしているときが唯一不安を忘れられる瞬間でした。自分の仕事に役立つ資格をたくさん取ろうとネイル検定やら色彩検定やら挙句は行政書士なんて資格も取得しました。少しでもお金になる知識や技術が欲しいとガムシャラに時間とお金を使っていた20代でした。難関だった色彩検定１級に合格したときはとても嬉しかった。その難関資格を取得したご褒美は一体なんだろう、なんてワクワクしていたのですが、後日届いたDMにはこんなことが書かれていました。

「あたたはもう色彩のプロフェッショナルです。つきましては色彩ナンチャラ協会にご入会ください。年会費はホニャララ円。プロフェッショナル講座をご希望でしたら月額ホニャララ円で受講可能です！　・・etc」

10万以上する専門の参考書を買って3年もかけて合格した行政書士の資格も、合格するや別室に招かれてこんなレクチャーをされました。

「あなたも今日から晴れて行政書士です。つきまして行政書士会に入会してバッジを取得してください。年会費はホニャララ円　・・etc」

もう20代も折り返そうという年齢で、バカな私でもそこまで言われてやっと気付いたのです。資格ビジネスのカモにされていたということを。金になる知識・技術をと欲をかいた結果、悪い大人に上手く転がされていたわけです。私は美容業の後進の後輩たちには、下心を持つと必ず付け込まれるから気を付けるんだよと口を酸っぱくして言っています。この仕事は同業者に認められる必要はありません。自分の技術に対価を払ってくれる人のために努力をするのです。

資格を取ったのに収入減――「リカレント教育」の悲喜こもごも
昨今、注目を集めている「リカレント教育」をご存じだろうか。わかりやすく言えば、「社会人の学び」である。文部科学省は来年度の概算要求にリカレント教育の推進費用として104億円（前年度91億円）を盛り込み、予算編成の折衝真っただ中だ。アップデート、自分磨き、生涯学習……。言い方は様々だが、今のスキルや地位にあぐらをかかず、日々研鑽を積み、激変する社会から取り残されないようにしなければならない。ではいったい何をすればいいのか。「手っ取り早く資格？」。そう思ったあなた、ことはそう簡単ではないようだ。（Yahoo!ニュースオリジナル特集編集部）
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難関資格、社労士を取ったが…
「一旗揚げよう。そんな気持ちで資格の勉強を始めたんです」そう語るのは二渡清美さん（55歳）だ。二渡さんは、子育てが一段落したタイミングの50歳を目前に一念発起し、会社員をしながら資格予備校に通い、社労士（社会保険労務士）資格の勉強を開始。5年の勉強のすえ2年前に合格、半年前に開業したばかりの“新米社労士”だ。