赤坂の名店⑥　なかご

学生の頃は友人との外食といえばラーメンでした。私の時代は、家系ラーメンがとても流行っていて、特に戸塚にある六角家は大学から近かったのでよく行ったものです。それでも、じゃあ好きでラーメン屋に1人で行くかといえば行かない。私にとってラーメンは遊園地のアトラクションと同じで誰かと一緒に訪れる場所なのです。そんなこともあり学校を卒業してからラーメン屋に行くことはめっきり減りました。

最近になってラーメン好きの友人に誘われて来訪したのが「なかご」です。インフレが続く日本で、1000円を超えるラーメンが多数を占めるのも時間の問題でしょう。そんな中、なかごさんはラーメン素人の私でさえハイクオリティだと味で1000円を切る値段で提供されています。ビジュアルの美しさ、洗練された上品なスープの味、なにか一つの芸術作品を味わっている気持ちになります。ラーメンを食べる習慣のない私でも一人でまた来ようという気持ちにさせてくれます。

なかごのラーメンを食べてから、ラーメンというものを自分の中でも定着させてみようと、色々と調べて食べ歩くようになりました。滅多に見つかりませんが、ここならもう一回食べに来ようと思えるラーメンが数軒見つかったことはありがたかったです。赤坂では「なかご」、他には神田にある「つじ田味噌の章」そして同じく神田の「海富道」も芸術の域にあるラーメンだと思います。どのお店も1000円でお釣りがくるのですが、この値段でこれだけハイクオリティなものを食べられるのは、日本人で良かったと思える瞬間です。